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家政婦の水戸

第12章 さようなら水戸さん

 クルっと方向を変え、山野家に向かう。


 少し広い通りに出た。


「えっと……どっちだっけ……」


 つぐみは、以前通った記憶を辿る。


「ん〜、あ、確か向こう。真っ直ぐ行ったら、スーパーがあるはず」


 思い出しながら、足を進める。


 そして、歩いて2分。


「ビンゴ!」


 スーパーがあった。


 だが、なにか騒がしい。店の前に人だかりが見える。


「どうしたんだろ? なにか安売りしてるのかな?」 


 つぐみは少し小走りで、近付いて見た。


 集まっている人達は、下を向いている。


「ちょっと、あんた、大丈夫かい?」


『ま゙』


 つぐみはすぐにわかった。


「え、水戸さん?」


 急いで、人だかりに割り込んでいった。


 すると、そこには荷物を背中に置いて、ほふく前進している水戸さんの姿があった。


「えっ、水戸さん!! どうしたの?」


 うつ伏せに倒れている水戸さんは、少し頭を上げる。


『の゚ーぎゃ'ら゙です"い゚ま゚せ~ん(あ、東さんだ。チャオ)』



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