テキストサイズ

家政婦の水戸

第2章 長女、恵実と水戸さん

 6月の2日に、もう無いってどういうことだ?


 先月末にやっただろ。


 こんなに早く無くなるのに、また5万なんて出せるか!


「出しても、5千円までだな」


「チェッ、しけてんな……」


 恵実は舌打ちしながら、二本指で5千円札を挟み取った。


「おいっ!! ありがとうと言わんか!!」


「これじゃ、ありがとうって、言えないよ。バイバーイ」


 そのまま恵実は飛び出して行った。


「なんなんだあいつ……」


 わかっている。自分の躾が悪いことは。中学生の頃は、まだ言うことを聞いていたんだけどな……。


 外では、近所で飼われている犬が、けたたましく吠えまくっている。


 水戸さんが来たな。


 今日は来るまでにお買い物を頼んでおいた。


 お米10キロを頼んだんだが、重かったかな?


 せめて、持って入ってあげよう。


 俺は外に出て、水戸さんを待った。




 水戸さんは、セグウェイに乗って、やってきた。


 なぜ?


 え? ここは乗っていい場所なのか?


 なぜにセグウェイよ?


ストーリーメニュー

TOPTOPへ