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家政婦の水戸

第12章 さようなら水戸さん

「目、覚ましてよ……水戸さん……なぜ、助けてくれたの? 私、あんだけ無視して、意地悪して……あんたのことをないがしろにして、相手にしなかったのにさ……なぜ、私を担いで2階から……」


「恵実……」と羊が肩に手を回した。


「それ……お前を助けたのは、ロケット背負ったメカ水戸さんだ」


「えええぇぇーーーっ!!」


「いや、わかるだろ!! ロケットの水戸さん、目の前にいるし、水戸さんがそんなもんを背負ってんの、見たことないだろ!!」


「ロケットからの噴射で引火して、こうなっちゃったのかと……でも、水戸さん、起きてよ……ごめんなさい……ごめんなさい」


 恵美の目から、ポロポロっと、光が落ちた。


 1滴、また1滴と、滴が黒くなった水戸さんの肌を濡らす。


 それを見ていた警察官が、残念そうな表情で、ポツリと言った。


「この、亡くなった方……ズバリ言ってゾンビですよね!?」


「ちょっとぉーーっ!! いやいやいや、それストレートすぎるでしょっ!! いや、みんな薄々感じてたことですけど、これ、タブー視してたからね!!」


 羊が半笑いで吠える。


 警察官は平謝りで、下がっていくが、担架に乗せれた水戸さんを指差して、言った。



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