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家政婦の水戸

第2章 長女、恵実と水戸さん

 水戸さんは、またじゃんけんでどちらかを選ぶものだと思い込んでいるようだ。


「ほら、お姉ちゃん。水戸さんがグー出して待ってるよ」


「もう、しょうがないわね。じゃ、いくわよ、じゃ〜んけ〜ん……」


 恵実はパーを出した。


 水戸さんはスーパースローで、グーを出した。


「なんで後出しで負けるの?」


 恵実と水戸さんの、洗濯物干し対決が始まった。


 恵実は脱水機でくしゃくしゃになった洗濯物を、叩いてシワを伸ばして、干していく。


 水戸さんはマイペースに、シワを手で伸ばしながら干している。


 時々、水戸さんは紗知の方を見る。


『ん゙が』


「うん、あるよ」


 なんの会話が成り立っている?


 恵実はせっせと干していく。


 そして、ついに……


「はーい、全部干せましたぁ〜」


 恵実は終了。


 水戸さんはまだ半分。


 右目で洗濯物を見て、左目で恵実を見ている。


 カメレオンか!?



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