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家政婦の水戸

第2章 長女、恵実と水戸さん

 ハンバーグを焼く、美味しい香りが漂う。


 換気扇をかけるのがもったいないが、かけなきゃ充満する。


 ハッキリ言おう。もう勝利は水戸さんだ。


 最後まで引っ張らなくとも、水戸さんに決まっている。


 掃除は、水戸さんは上から下に、ホコリや汚れが下に落ちるように掃除をしていた。


 そして、丸く掃除をせず、隅々までキッチリと、チリひとつ見逃さずに綺麗にしてくれた。


 視線はバラバラだったが……。


 洗濯物干しは、恵実がパンパンと叩いて、両手で振り落とすように広げて干していたが、水戸さんは、やさしく生地を広げるように干していた。


「水戸さん、これ、ここに置いておくね」


『ぶぃ゙』


 紗知はなにを持ってきたんだ?


 見ると、それはアイロンだった。


 そうか、水戸さんは乾いた洗濯物にアイロンをかけるつもりだ。


 水戸さんは紗知に、これを聞いていたんだな。


 そして、ようやくハンバーグが出来上がった。


 食卓には、A(恵実)とB(水戸さん)のハンバーグが並んでいる。


 見た目からして、水戸さんに軍配が上がる。



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