テキストサイズ

家政婦の水戸

第4章 水戸さん怒る

「違うよ、お父さん。今日の晩御飯のジンギスカンの材料を買い込んだ後に、お姉ちゃんを見たって、言ってるんだよ」


「もういい、恵実を探してくる」


 羊はため息をついて、携帯電話をズボンのポケットに入れた。


 水戸さんが、紗知の耳元でコソコソとなにかを伝えた。


「えっ、そうなの!?」と紗知が声を上げる。


「どうしたんだ、紗知?」


 羊が足を止めて振り向いた。


「水戸さんが、同じ家政婦の仲間で、人探しが得意な人がいるから、声をかけてみようかって、言ってるんだけど……」


「なにっ!? 本当か?」


 水戸さんは頷いた。


 それならば、是非ともお願いしたいと、水戸さんに頼むことにした。


 水戸さんは一度、外に出た。


 すでに外は真っ暗だが、水戸さんは夜空を見上げた。


『ま゚』


 水戸さんは自分の携帯電話を出し、一度会社に連絡を入れた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ