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家政婦の水戸

第4章 水戸さん怒る

 すると大神は、そのまま外へ出た。


 その後ろを、ヨタヨタと水戸さんがついて歩く。


 水戸さんと大神は空を見上げた。


「ちょうどよかった。今日はキレイな満月よ」


『ぬ゚くみ゙ずの゙あ~たま゚』


「ごめん、紗知さんがまだ来てないからわからない。携帯で打って」


『ま゚』


 大神の申し出に、水戸さんは素直に応じる。


 そして携帯のメール画面に、文字を打つ。


[今日は満月だったから、ねこちゃんを呼んだの]


「……うん、そうだったのね。でも、私を呼んだのは正解ね」


 そう言った大神には、すでに異変が見られた。


 顔中にジワジワと黒い物が、目立ちはじめた。


 やがて、顔全体が、真っ黒い毛に、覆われた。


 外に出た、紗知と羊は、驚きの表情だ。


「お父さん……あれ、なに?」


「新手の大道芸人かもしれない」


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