テキストサイズ

家政婦の水戸

第4章 水戸さん怒る

 大神は水戸さんの肩に手を置いた。


「じゃ、水戸さん。私と一緒に行きましょう」


『ま゚』


 大神は少し、腰を低くする。


 その背中に、水戸さんが乗った。


 大神は水戸さんを背負った状態で、飛脚のように走っていった。


 羊は二人を後ろから見送る。


「紗知、あれ、大丈夫だと思うか?」


「うん……私も行った方がいいかも」


「通訳でな」


 20分後……。


 大神は、普通の姿に戻り、すっかりバテていた。 


「なんで……雲に隠れちゃうの?」


 満月が雲に隠れると、元に戻るようだ。


『お゙へ~(大丈夫?)』


「ごめん、なに言ってるのか、わかんない。でも、この辺りのはずだよ」


 場所は、カラオケBOXの前だ。


『ア゙カ゚ペラ"の゚ジャイ゚ア'ン゚(このカラオケの中にいるかもしれませんね)』


「だから、文字を打って見せて……」


 水戸さんは、カラオケBOXに入っていった。


「いらっしゃいませ〜」と受付の女性店員が迎える。


 水戸さんは、ブラシを差し出した。


『は'げに゚は、む゚よ゙う(このブラシの持ち主を探してます)』


「いや、水戸さん。通じてないから」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ