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家政婦の水戸

第4章 水戸さん怒る

 店員が困惑している所に、恵実が出てきた。


「えっ!? 水戸さん!?」


 出くわすような場所じゃなかったため、その姿が目に入り、ついうろたえる。


 それに気が付いた水戸さんが、恵実に声をかけようとするのを大神が制止して、前に出た。


「あなた、山野恵実さんね」


「おばさん、誰?」


「お……おば……」


 親指の先ほどの、ショックを受けた。


『むへ(帰りましょう)』と水戸さんが、恵実に声をかける。


「えっ!? 私、紗知と違って、あなたの言ってることがわからないんだけど……」


 すると、ショックから立ち直りつつある大神が、気を取り直して話しかける。


「あのね、お父さんから、恵実さんを探してほしいって言われて、ここまで来たの。私も水戸さんと同じ、家政婦をしている者です」


「家政婦!? なに、最近の家政婦は、探偵までするの?」


『ばん゚ぐみ゙の゙パク゚リ(家政婦は見た)』


 とっさに、水戸さんの口を押さえて、大神が話を続けた。


「あの、水戸さんのことはほっといていいから、とにかく帰りましょ」


 すると、その行為に……水戸さんは怒る。


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