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家政婦の水戸

第4章 水戸さん怒る

『う゚ぐぁっ!!』


「だって、あなた言葉通じないでしょっ!! 会話が続かないから、出てこないで」


 大神が言ってることはただしい。


 返す言葉が見付からず、見付かったとしても伝わらない現状に、どうすることも出来ずに、水戸さんはふてくされた。


『む゙っ』


 すると、恵実の後ろから、赤い髪をしたセーラー服の女が出てきた。


「おい、恵実、あんたのお父さんに連絡ついたの? 早く、援助もらってきなよ」


「え……あ、うん……」


 恵実は唇を噛みしめて、キュッと携帯を握り締める。


 大神は動物的な勘が働き、恵実がどんな状況なのか、一発で把握できた。


「ちょっと、恵実さん。あんな子達と付き合うのはやめなさい。このままズルズルいっても、あなたが大変な思いをするだけよ」


「あんたに関係ないでしょ! 初対面なのに、保護者みたいなこと言わないでよ」


 赤い髪の女は、恵実の肩に手を置いた。


「なにさっきから、このババァ、ギャンギャン吠えてんの?」


「バ……ババァ……」


 やっと立ち直ったばかりなのに……。



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