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家政婦の水戸

第6章 水戸さん?

 まあいい。


 これは、水戸さんとして、家政婦で来ているのだ。


 今日の8時まで、いろいろとお願いしよう。


「じゃ……水戸さんで、いいのかな? あの、夕食の買い物をお願いできますか?」


『マ゚』


 すると紗知が言った。


「えっ!? 水戸さん、いまなんて言ったの?」


 本気か……


 いつもの、あの言葉じゃないか。


 俺は、ハッとした。


 そうか……紗知は普段、水戸さんの言葉を理解している。いや、訳して耳に入るんだ。


 だから、まともに水戸さんの言葉を聞いた場合、これが初めて聞く言葉となる。


「なんか、おかしい。いつもの水戸さんじゃない」


「いや、明らかにいつもの水戸さんじゃないだろ」


「ゼビウスみたいな電子音がするの」


「具体的すぎるな。お前、それ1983年にゲームセンターに出た、ナムコのシューティングゲームじゃねえか!! てか、2002年生まれのお前がなんで知ってんだ!?」


「え、でもどうしたの水戸さん……」


 水戸さんを心配するより、俺は、まずお前を心配するよ。


 お前の目に、このメタルボディーがどう写っているんだ?



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