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家政婦の水戸

第6章 水戸さん?

「よし、それと、水戸の力をもう少し抑えよう。あま噛みしても傷付くおそれがあるからな」


「そうですね、ウイルスの心配は無いと思いますが、感染者が出た場合、対処出来ませんので……」


「ところで、水戸の雇い主の所には、代わりの者がちゃんと行ってるんだろうな?」


「はい、一流の電化製品メーカーと手を組みまして、2千万をかけて作りました、水戸の分身がおります。このような定期的な検診があった時のみ、分身を行かせております。ところで、その器にあるものは?」


 銀色の器には大量の錠剤が入っていた。


「あぁ、水戸の腹部からごっそり出てきた。多種多様の薬だが、なにをしたんだこいつ?」


「なんなんでしょう?」


 博士は冷蔵庫から肉の塊を出した。


「こいつの食事は1日1回の生肉だ。これしか食わせてないがな」


「業務スーパーで安く買えますからね」


「これは鹿肉だ。私が年に1回狩猟に出て捕らえたんだ」


「凄いですね……そう考えると、めんどくさい家政婦ですね」


「めんどくさいが、優秀な家政婦だからな。依頼者の期待に応えなきゃな」



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