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家政婦の水戸

第7章 郷東さん

 勢いあまって、左乳首を削ってしまったぁぁーーっ!!


 こ、これは、予想を越えてはるかに痛い!!


 いや、さっき、乳首ぐらいどうでもいいって言ったが、それは撤回。


 乳首はとても大事。


 これは、想像以上の痛みだ。額から汁が出る……汗を越えたものが出てるよ。


「くそう……てめぇ、やりやがったな!!」


 痛みと怒りで冷静さを失っていたが、自業自得だと言うのはわかる。


 だが、その原因がこいつにあると……いや、て、言うか、こいつか?


 カシャンカシャンと音をたて、やつが近付く。


『ア゚カイ゙ボニ゚ュウ゚ガモ`レ゚テ~マ゚ス"ヨ`』 


「なに言ってんだか、わかりづらいよ!! 歯の抜けた90代のババァが津軽弁喋ってるのと変わらねぇよ!!」


 俺は肉切り包丁を取り出した。


 刃先に、2ミリほどの俺の削れた乳首が付着している。


 こうなったのも、こいつのせいだ。


 こいつでぶった斬ってやる。


 俺は、やつの腕を目掛け、肉切り包丁で切りつけた。


『ガキーーーン!!』


 鼓膜と、三半規管に響く金属音。


 むっちゃ、刃こぼれ。



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