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ねぇってば

第5章 どうして


「なんで…そう思いますか?」

「すごく魅力的だからです」


「変な人ですね」




「それでいいんです、変でいいです」


不意に時計を見たしゅうかちゃんの目を追った

夜の8時…




「そろそろ帰ります、ご飯とても美味しかったです
素敵な絵まで見れて、楽しかったです」


「はい」



「…また、来てもいいですか?」



「…はい」



少し遅かったけど
ちゃんと返事をしてくれたことが嬉しかった


俺はしゅうかちゃんの手からジャケットを受け取り
玄関へ向かった



靴を履いてしゅうかちゃんの方を向き


「では、お邪魔しました」


「はい」




鍵を開けエレベーターに乗る前
もう一度振り返った

そこにはもうしゅうかちゃんの姿はなかった






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