
狐と私と先生
第7章 長い、夜
ガサッ
何も出来ず、地面に座りこんでいた私は、小さな物音で
顔をあげる。
そこには、
私と同い年ぐらいの男子が平然と、立っていた。
黒ぶち眼鏡に、
綺麗に整った黒髪。
優等生を感じさせる、その男子は
私たちには目もくれず、真っ直ぐ
木に縛られている少年へ歩いていく。
「カザ兄、おっせーよ!」
少年の叫び声。
『カザ兄』って、
兄弟なんだ。
「隙を狙ってて遅くなった。
悪かったと思うが、
捕まる、お前も悪いんだぞ」
「ウッ、、。
いいから、早く
コレ外してくれよ!」
「、、汚い言い方だな」
「、、、。」
なんだか、
私の後ろで、兄弟の言い争いが始まった。
私にとっては、好都合だ。
この間に、何か
いい案を考えないと、、、。
