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狐と私と先生

第7章 長い、夜

「、、にげ、ろ」

小さな、、
小さな声。


視線を少し下げると、
うっすら目を開けた銀が、ボンヤリした表情で
私を見ていた。

「逃、げろ、、
静」







そう、、、、

私には、選択肢が
ナイ。




あの兄弟と、戦うコトも
銀を守るコトも

何も、出来ない。


そんな私に出来るのは、逃げるコトだけ。


銀を、おいて逃げる。










そんなコト、、



出来るワケ、
ないでしょ。


私は、
ゆっくり銀に顔を近づけ、


銀の、耳に自分の唇が付きそうな、
ギリギリまで近づいた。

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