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狐と私と先生

第7章 長い、夜

「銀、、

狐に、なって」

私が小声で言うと、銀の大きな狐の耳が
ピクッと動く。

「私が抱いて走れるぐらいの
小さな狐に、変化して
お願い」

何故か、声が震える。 後ろの兄弟に聞かれたらって、
怖くて、たまらない。

でも、銀をおいて、逃げるなんて、、できない。

「銀、 お願い」

銀は、しばらく
ボンヤリした表情で私を見ていたが、
ゆっくり目をつぶる。


ポン


不思議な音がして、
目の前に倒れていた銀は、小さな狐の姿に変わった。


でも、
背中の傷は変わらない。

むしろ、
さらに、酷くなったように見える。

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