ご主人様は突然に
第2章 波乱の同窓会
やっぱり無視ー!?
阻止しなきゃ!とマナカの肩を掴むと
佐藤の頬にくちびるがぶつかった
「セ、セーフ……」
いや、ほっぺでもアウトか!?
焦りまくる私をよそに
マナカはアハハッと笑う
「失敗だっコノヤロウ~!
……よし、次こそ口だな。
佐藤ッ覚悟しろよ~!!」
「マナカってばっ!!」
頬にチューされた佐藤は
顔を真っ赤にして固まっていて
避ける余裕なんてなさそうだ
やっぱりマナカをなんとかしなきゃ!
とアヤと目配せをして
二人でマナカの身体を引っ張った
「ほっぺだけにしときなって!」
「そうだよっ……………えっ!?」
ブチュッと
マナカのくちびるがぶつかった
「……こんの、酒乱がっ……」
ぶつかったのは佐藤のくちびるじゃない
佐藤の口元をとっさに覆った
カオルの手の甲だった
あ……危なかったぁ……
はぁ、とため息を吐き
胸を撫で下ろしてるのもつかの間
「おい、赤坂。内野。
コイツが他の酒飲まねぇように
ちゃんと見張っておけよ!」
カオルが私とアヤをギロッと睨む
「ご……ごめん」
「まさか、飲むとは思わなくて……」
カオルのお怒りモードも久々で
たじろいでいると
「おい、カオル。ジャマすんなよ。
超いいとこだったのに」
カオルの手の甲からくちびるを離して
眉をひそめたマナカがケンカを売る
「超ってお前な……まぁいいや。
赤坂。コイツ俺がなんとかするから。
お前らじゃ無理だろ?」
お怒りモードも一瞬で
いつもどおりの態度に戻ったカオルの
助かる提案にコクコクと頷く
「コイツって言うな~!
マナカ様って呼べや!クソカオルー」
マナカの悪態を完全スルーして
カオルは辺りを見回す
「じゃ……佐藤は任せた。
コイツの荷物ってこれ?」
「あ、うんそれ」
「あー、会費は立て替えといて。
財布勝手に開けると怒るだろコイツ。
あとで請求してやって」
「分かった。マナカのことよろしく」
「おう。じゃお先。よいしょっと」
「クソカオルー。
おんぶしていいと思ってんのかー?」
マナカをおんぶして出て行くカオルを
私は不思議な感覚で見送っていた。