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ご主人様は突然に

第1章 戦力外通告!?




「なんで電話にも出ないのよ!!」



あれから何度も電話をかけてるのに

旦那は出ようとしない


まだ着信拒否はされてないけど

それも時間の問題だ



「ああ~~もうっ!!」



テーブルをバンッと叩いていると

リビングのドアが開いた


寝ぼけまなこな幼い顔が現れ

トボトボと歩いてくる



「ママぁ?」


「セン……」



愛息子が

小首をかしげながら近寄ってきて

私の顔を見るなり

可愛い顔を曇らせる



「なにかいやなことがあったの?」


「え……」


「ママ……こわいかおになってる」


「あっ……」



だめだよね。センの前では笑ってなきゃ……



「……ううん。なにもないよ。
ごめんね、起こしちゃったね」



無理して笑ってみせると

センは私に抱きついてきた



「どうしたの?怖い夢でも見た?」


「ううん。ねぇ、パパは?」



頭を撫でるとセンは顔を上げて

キョロキョロと父親の姿を探す



んー……なんと言うべきか。


離婚なんて言っても分かんないよなー


バイバイするかもって
それとなく教えておくべきか

お仕事が忙しくてって
ひとまずごまかしておくべきか


すごく迷う。



「パパと、けんかしたの?」


「っ……」



穢れのない澄んだ瞳を向けられて

言葉に詰まる


様子がおかしい私から

なにか感じ取ったのだろうか



それだけセンも

大きくなったってことか……


そうだよね

次の四月からセンも二年生だし。



一瞬でほっこりした気持ちになり

微笑みながらすべすべの頬を撫でると

センはにこっと笑う



「ぼく、ママがいれば、
パパいなくてもだいじょうぶだよ!」


「えっ、なに言ってるの。
そんなこと言ったらパパ泣くよ?」



いや……泣かないかも。



前回浮気が発覚した時も

泣かなかったし……



「だってぼく、
パパのことだいっきらいだもん!」


「ええっ!」



なんでいきなりそうなる!?


反抗期にはまだ早いし……


ていうか、セン、超パパっ子だよねえ!?



愛息子の衝撃発言に

開いた口が塞がらない。


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