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ご主人様は突然に

第6章 家事手伝い、スタート




翌日のお昼どき

近所のファミレスにて



ズズッ、ズズーッという音を立てて

カルピスを飲み干す。





注文したものが届くまでの間

同窓会のあとの

カオルん家~公園までの出来事を

ざっくりと説明してみると



ナナコはため息を吐き

アヤはゲラゲラ笑った。



洗いざらい白状すべきかと

昨夜はかなり悩んだけど

言いにくさと恥ずかしさが相まって

結局ほぼ自粛。



それでも

話を進める上で支障のない程度に



カオルん家で

¨首に¨キスされたこと



公園では佐藤くんに

¨告白された¨こと



その二つだけは話した。





「……アヤ、笑いすぎ。
で、家事手伝いはもう断れないの?」



ナナコが心配そうに口を開く。



「うーん……」



断れなくはないだろうけど

その場合、カオルがなにをするか

分かったもんじゃないし……



「カオルもなに考えてんだか。
ん?その首のバンソウコウ……」


「はは……」



バッと手でバンソウコウを隠し

苦笑いしてると

ナナコは呆れ果てた表情をしていた。



「まったく……
人妻に手を出すなっての」


「まぁ、カオルも
一応我慢はしたんでしょうよ」


「え?」



笑うのを止めたアヤの言葉に

ナナコが小首をかしげた。



「むしろ首にキスだけで
よく我慢したと思うけど。
普通の男なら確実に襲うよねー」


「確かに……」


「佐藤は告白だけって中学生か!
そこはベンチに押し倒せよ!
早朝の公園なんて絶好の……」


「待て待て。なんでアンタは
たまに男目線なわけ?」


「いや、女目線やけど。
いわゆる性癖ってやつやん」


「女目線とか余計悪いわ!
それに性癖とか知りたくない!」


「えー?いいやん性癖くらい。
私たち親友やろー?」



ナナコとアヤがギャーギャー

言い合うのを見つめながら

私はドギマギしていた。



……うん。佐藤くんに

ベンチに押し倒されたことは

絶対言わないでおこう。



そう心に決めて席を立ち

ドリンクバーへ向かう。



カルピスを注いでいると

後ろから肩をトントンと叩かれた。



振り返るとそこには



「おいコラ」



しかめっ面の、自己中オトコの姿。


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