
桜 舞う
第1章 桜 舞う
「あ、あの……何で、ですか?」
何で私を誘うんですか?
勇気を出して聞いてみたのに
「では、私は仕事に戻る。酒々井はここで暖まってろ。」
あっさりスルーされてしまった。
えー……
その時までお預け?
今、教えてくれないの?
「は、はい……」
心臓がバクバクするまま頷いて、はたと気が付く。
「あ、あの、仕事……ひ、平坂さんは?」
「平坂のことは気にするな。誰か代わるように言ったら、あいつが一番に今日の仕事を繰り合わせてきたんだ。全員が遅くなりそうなら新たに代わりを募る」
平坂さん、が?
ちょっと意外だった。自分の仕事以外で面倒な事はやりたがらないイメージがあったから。
「仕事は今日一日場所取りするために調整してあったんだろう?」
「は、はい」
「ならゆっくりしていろ。ほぼ一日あんな寒い所で座ってたんだ。終業までそう時間もないし、身体を温めることが先決だ。私が許す」
「……は、はい」
そうは応えたものの、素直に休む気にもなれなくて。
年度始めはみんな忙しい。私だけのんびりしていて良い訳がない。
私が困っていると課長がフッと微笑んだ。
「もちろん戻ってサポートしてもらえると助かる」
柔らかい笑顔と眼差しにまた見惚れてしまう。
何で私を誘うんですか?
勇気を出して聞いてみたのに
「では、私は仕事に戻る。酒々井はここで暖まってろ。」
あっさりスルーされてしまった。
えー……
その時までお預け?
今、教えてくれないの?
「は、はい……」
心臓がバクバクするまま頷いて、はたと気が付く。
「あ、あの、仕事……ひ、平坂さんは?」
「平坂のことは気にするな。誰か代わるように言ったら、あいつが一番に今日の仕事を繰り合わせてきたんだ。全員が遅くなりそうなら新たに代わりを募る」
平坂さん、が?
ちょっと意外だった。自分の仕事以外で面倒な事はやりたがらないイメージがあったから。
「仕事は今日一日場所取りするために調整してあったんだろう?」
「は、はい」
「ならゆっくりしていろ。ほぼ一日あんな寒い所で座ってたんだ。終業までそう時間もないし、身体を温めることが先決だ。私が許す」
「……は、はい」
そうは応えたものの、素直に休む気にもなれなくて。
年度始めはみんな忙しい。私だけのんびりしていて良い訳がない。
私が困っていると課長がフッと微笑んだ。
「もちろん戻ってサポートしてもらえると助かる」
柔らかい笑顔と眼差しにまた見惚れてしまう。
