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君がいるから

第2章 きっかけ

座るや否や

「大ちゃーん!早く紹介してよ~!」

俺と智の話もそっちのけ。

なのに何故か憎めない不思議な感じ。

しかも、こいつ…「相葉雅紀」はすぐに俺を

「翔ちゃん」呼びにしやがった。

まあ、俺も成り行きで「雅紀」呼びになったからいいんだけど

これ、あくまで仕事の…予定。

智と俺の会社とは違う話し方、そしていきなりうちの二宮に可愛い可愛いとはしゃぐ雅紀に

二宮は完全にフリーズ。

だけど、時間が経つにつれ、二宮も表情が弛んで楽しそうにしていた。

俺と智は、雅紀が二宮に夢中なのを良い事に

こっちはこっちで会話を楽しんでいた。

ただ、やはり気になる雅紀の事。

あれ、絶対女の子に対するアプローチだよなぁ

「ねぇ、智…雅紀ってゲイ?」

ウダウダ悩むより聞く方が早い。

すると智は面白そうに笑った。

「違うよ。あいつは完全な自由人」

「え?」

「本能で生きてるから、好きになったら性別関係ないんだって」

誤解はされやすいけどね、て付け足す。

「なになに~!大ちゃん俺の話?!」

いきなり雅紀が割り込んできた。

「うちの二宮、気に入ったの?」

わざと雅紀に聞いてみる。

すると雅紀は満面の笑顔で応えた。

「うん!だってにの、すっごく可愛い!一目惚れー!」

これが「自由人」か。

屈託なく、当たり前に言える雅紀が

ちょっと羨ましくなった。


俺は智に

気持ちは伝えられない…。






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