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君がいるから

第1章 再会

S side


高校1年の春。

同じクラスの隣の席

気が付くと机と仲良くしていて、時々涎も垂らして
常に幸せそうに目を閉じているその人。

初めて会話したのは確か…

弁当を広げた時だったっけ。

「ねえ、卵焼き1個ちょうだい」

俺のおかずを見て、フニャッとした笑顔でねだったんだ。


それがきっかけで、彼…

大野智と友達になった。


すぐに打ち解けて、お互い名前で呼ぶようになったけど

何故か智は俺には「ちゃん」付け。

どうにも「翔ちゃん」のがしっくりくるらしい。

最初こそ、そんな風に呼ばれた事がなかったから違和感半端なかったけど

慣れてしまえばそれも気にならなくなった。



智とは、偶然にも3年間同じクラスだった。

何をするにもどこへ行くにも

殆どの時間を一緒に過ごした気がする。

それぞれ、女の子と付き合った事もあったけど

気付いたらお互いがまた傍にいた。





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