テキストサイズ

君がいるから

第3章 お互いの気持ち

何がどうなったのかは分からないけど

二宮は雅紀と会う事を決めた。

智との会話が原因らしいけど

内容までは教えてくれなかったから、決め手は分からない。

だけど、あれだけフルシカトの二宮が動いたら

何か変わるような気がする。




月曜の朝、二宮は至って普通だった。

金曜日に雅紀と会ったはずだけど、何となく聞きにくい。

二宮が何も言わなければ、プライベートの事を聞くのはやっぱり俺の性格上出来なくて。

気軽に聞けば良いんだろうけど、あくまで二宮は部下であり、友達ではない。

…智や雅紀みたいになれたら、仕事も楽しいかもしれないけど

それは俺には難しい。



正午になって、それぞれが外食に出たりと慌ただしくなっている時

智から着信が入った。

「雅紀と二宮くん、上手くいったらしいよ!」

開口一番、智は弾んだ声で言った。

マジか。

あれだけシカトしてたのに

たった1回会っただけで?

…雅紀、すごいな。尊敬しちゃうよ。


智と話してるうちに

自分も何だかイケるんじゃないかって思い始めたのは

きっと

たまたまではないはず。

「智、今日の夜、空いてる?」

さりげなさを装って、話の合間に誘って見た。

「年中無休で空いてる」

智の返事に思わず吹き出してしまう。

笑った事で、大事なところはサラッと伝える事が出来た。

ーー今日は雅紀は抜きで



ストーリーメニュー

TOPTOPへ