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君がいるから

第3章 お互いの気持ち

「智の言ってる《好き》じゃなくて…」

智の視線が痛い。

「あのね」

「うん」

「俺のは、恋愛感情の《好き》」

「翔ちゃん?」

ナニガナンダカワカリマセン…な顔の智。

「引いた?」

諦めにも似た気持ちで呟く。

「俺の《好き》って違うの?」

何言ってるの。違うでしょ。

「智のは…《like》の好き、でしょ?」

「俺以外と仲良くしてるの見ると、面白くないのって、どっちの《好き》?」

「え…」

あれ?智?

「俺ね、翔ちゃんと一緒にいたいし、顔見るの嬉しいんだけど…翔ちゃんが雅紀とかとふざけてると何か嫌なの」

…これって

イケる?

「ねえ、そんなに考えないで」

「…だってわかんねーんだもん」

プイ、とそっぽを向いた智が凄く可愛い。

「簡単だよ」

ちょっと余裕が出た俺は

ゆっくり立ち上がって

「俺のはこういう事をしたい《好き》」

智の頬に手を添えて

振り向かせると

…触れるだけのキスをした。

すぐに放した唇。

智はそれを目で追っている。

「もっかい…して?」

確信した。

智も、俺と同じ気持ち。

何だか智は色々な事言ってるけど

それは気付いてないだけ。

「分かった。…智の《好き》」

俺ね、凄く嬉しいよ。

気付いてない、鈍感な智が凄く愛しい。


まだ、ハテナマークが飛び交ってる智の耳許に

唇を寄せる。

「ゆっくり…教えてあげるよ」



途端に智の顔は真っ赤に染まっていった。

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