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君がいるから

第4章 君と迎える朝

智といわゆる「恋人」になって

週末は殆ど一緒に過ごすようになった。

と言っても

潤の店で飲んで、…店が暇な時は潤も交えて3人ではしゃいで

閉店に合わせてそれぞれの家に帰っていって。

どちらかの家に泊まるのはおろか

…あの日以来、キスすらしていなかった。

休日になると

智は大体は趣味の釣りに出掛けてしまう。

「一緒に行こうよ」

って何回か誘われたけど

あの「ひたすら魚が掛かるのを待つだけ」の時間がどうしても苦手で

智とは一緒にいたいけど

それだけは譲れなかった。

だって

間違いなく不機嫌になるのを自分でも分かってるし

そんな顔、やっぱり智には見せたくない。

とは言え

「恋人」になった以上は

やっぱり一線は越えたいわけで。

…俺だって健康な成人男性。

なかなかツライものがあるんだ。

何か良い案はないだろうかと色々考えるけど

あの完全マイペースを崩さない限り

難しいのは火を見るより明らかで。

台風でも来てくれれば確実なんだけど

季節がら、それもあまり期待出来ない。

酔い潰してお持ち帰り?

…いや、智は俺より酒に強い。酔い潰す前に自分が終わる。

最近は

こんな事ばかりが頭を駆け巡っている



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