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君がいるから

第4章 君と迎える朝

ヤりたい盛りの高校生じゃあるまいし

何やってんだよ

と理性では分かっているのに

智を目の前にしたら

理性より、欲望が俺の頭を支配するんだ。



誰もいない真っ暗な部屋の中

ベッドの上で目を閉じれば

もやもやと浮かんでくるのは……

「だああああああっ!!!!」

想像しかけて

慌てて飛び起きた。

ダメだダメだダメだダメだ

頭を冷やせ、俺


とっくに風呂は入ったけど

もう一度シャワーを浴びて落ち着こうと

ベッドから降りようとして…

「あ…」

着信を知らせる点滅するライトに気が付いた。

どうも着信音を消してしまうくせがあって

最近はすぐに気付かない事が多い。

履歴を確認してみたら

雅紀からで。

珍しいな…と思いつつ、リダイアルを押した。

「あ!翔ちゃん?」

僅か2コールで出た雅紀は、どこか慌てた様子。

「おう。どうしたの」

雅紀なら、どうせ大した用事じゃないだろ

「大ちゃんがね、風邪引いたの」

「そりゃ、風邪くらい引くだろ」

何言ってんだ、コイツ

「そうなんだけど…そうじゃなくて!」

「何だよ」

まともな日本語話せ

「熱が下がんなくて、2日休んでる」

「マジか」

「やっぱり知らなかったんだ」

ため息混じりの雅紀

「悪かったな」

少しイラっとした

「看病行ってくれない?」

「は?」

「だって、大ちゃん俺には来なくていいって頑固なんだよ。だから翔ちゃんなら大丈夫かなって」

心配してるのは、声で伝わる。




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