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君がいるから

第6章 一緒に暮らそう


「え…櫻井さん、引っ越すんですか」

外回り半ばの昼休憩。

凍えるような寒さからようやく解放され

暖かい店内で

驚いた声を出したのは

言わずもがな

大事な後輩の二宮和也。


「うん。来月更新だし、手狭になるからさ」

コーヒーを飲みながら

普通に答えたつもりだったけど


「櫻井さん、まさか…!」

二宮は興奮したように身を乗り出すと


「結婚するんですか?!」


…物凄く目を輝かせている。



「結婚?…しないよ。予定もない」

「だって手狭になるって…」

「うん。二人で住むから」

「櫻井さん、彼女いたんですか!」


あれ?

二宮知らないんだっけ?

…でも、こいつが雅紀とくっついてからは

4人で飲む事もあったはず


そりゃ、わざわざ面と向かって

「俺達付き合ってます」

なんて言わないけど

俺達の関係って

見てれば分かるような気もするんだけど…



「彼女はいないよ」

「え…だって二人で住むって」

二宮は自分のコーヒーを置くと

不思議そうに首を傾げた。


この何気無い仕草、可愛いんだよなぁ

雅紀が惚れるのも頷けるよな


…智の方が可愛いけど


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