君がいるから
第6章 一緒に暮らそう
4回程呼び出して
『…櫻井さん?』
二宮が応答した。
「さっきはすまん」
『いえ。それは良いけど…何で櫻井さんがこのマンションにいたんですか』
「ああ…それな」
俺は
事の経緯を簡単に説明した。
二宮なら、事細かに言わなくても充分なのが
ありがたい。
『…マジですか。凄い偶然…』
「俺だってびっくりだよ!それに雅紀がマンションってのも」
そう。そこだよ。
このマンション、2人で払うなら高くないけど
一人となると
一般サラリーマンにはなかなかなもの。
『うん。俺もびっくりでしたもん。相葉さんにお金があるとは思えないし』
何気に毒吐くな、こいつ…。
『なんかね、親戚から譲り受けたらしいですよ?』
ー海外出張になるとかで、分譲だったからとか何とか
「あ…そうなんだ」
『でなきゃ、有り得ないですって』
電話の向こうでケラケラとに笑っている。
更にその向こうでは
雅紀が何やら騒いでいた。
『…で、引っ越す事は教えて大丈夫なんですか?』
チラッと智を見ると、口パクで「まだダメ」と言っている。
それに頷いてから
「まだ言うな、だって」
智の意向を伝えた。