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君がいるから

第6章 一緒に暮らそう

『分かりました。じゃあ、テキトーにあしらっときます』

…雅紀、尻に敷かれてる感半端ないな

いや、惚れた弱みってやつか。

「そうしてくれるとありがたい。…あっ」

『はい?』


会社では言いにくいから

「来週の金曜、何もなかったらうち来るか?」

引っ越し前の家飲みの誘い。

『いいんですか?やった!』

「雅紀のつご…『相葉さんは大丈夫!』」

そうか。

雅紀の都合なんて二の次ってヤツね。

…いいのか、雅紀…

後ろで「なになに~っ!」って声が聞こえてるけど

楽しそうだな、うん。

「じゃ、まあ予定しといてよ。…これから契約行くから切るよ」

『分かりました~』



じゃあな、と通話を終わらせ

エンジンを掛ける。

助手席に目をやるて

…またも寝に入ってる智の姿。

だから、静かだったのか


書類を取りに行くだけだし

今は起こさなくてもいいか

智の寝顔に少し微笑んで

静かにアクセルを踏み込んだ。





契約に必要なもの、は

前以て纏めて用意してある。

性格上、きっちりとしないと気がすまないのは

こういう時は

絶対に役に立つ部分だよな。

慌てる事なく

スムーズに事が運ぶんだから。



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