君がいるから
第7章 君がいるから未来は明るい
「ちょっと智ー!何回言ったら分かるの?!」
洗濯機の所から翔ちゃんが怒っている。
あ、やべ。
またやっちゃった。
怒りの原因に思い当たりを見つけて
俺は慌てて翔ちゃんの傍に向かった。
「ごめん、つい…」
「もう!必ず戻してって言ってるだろ?」
後が面倒なんだからね?
ぷりぷりしながら
裏返しの洗濯物を表に直す翔ちゃんは
完全に「おかあさん」だ。
「だから、ごめんって…」
「次やったら、洗わないからね」
「はいすいません」
そんな事言ってても
いつも一緒に洗ってくれてるくせに
…なんて事は思ってても言わないけど
翔ちゃんと暮らし始めて3ヶ月
やっぱり最初はお互い気を遣って
正直少し疲れる事もあったけど
生活を重ねていくうちに
段々とお互いのペースも掴めてきて
自然と家の中の分担も出来てきて
最近ようやく
翔ちゃんがいる事が当たり前になってきた。
洗濯は翔ちゃん。
掃除は8割方俺。
料理は二人とも苦手だから
一緒に悪戦苦闘しながら
自炊を心掛けている。