君がいるから
第7章 君がいるから未来は明るい
翔ちゃんは
ごはんは上手く炊けるようになった。
最初は
水加減が難しくて
固かったり、べちゃべちゃだったりしたけど
…いや、翔ちゃんさ
何で釜に水位ラインあるのにここまでおかしくなる?
って位の料理音痴。
米を炊くのは俺でも自信あったから
ここは翔ちゃんに頑張って貰った。
だっておかずが失敗しても
ごはんさえあれば
ふりかけでも、卵でも
何とかなるじゃん?
「翔ちゃん、米セットできた?」
炊飯器の前で
真剣に水加減と勝負している翔ちゃんに
声を掛けたら
「待って!今大事なとこ!」
…いきなり怒られた。
たかが水加減でここまで真剣になるのなんて
翔ちゃんくらいじゃね?
こんな姿、会社の人間が見たら
クラクラするだろうな。
ちょっとそんな想像をしたら
「くふふ」
面白くなって思わず吹き出した。
「何笑ってんだよ」
水位との闘いを終えていた翔ちゃんが
ちょっと不機嫌そうに呟く。
「何でもないよ。セットできたの?」
「おう。完璧」
今の不機嫌はどこへいったのか
翔ちゃんは、親指を立てて
ドヤ顔した。