君と僕。
第1章 君と僕と日課
大学の講義を終えて、学内の自販機でココアを買う。
プシュリと音を立てて開け、自宅の近くまで行ってくれるバス停まで向かう。
「あ、蓮君!」
「…時雨、さん?」
普段は仕事が終わるのが僕の大学より遅いから、帰るのはいつもバスなのに。
ココアを片手に歩いた校門の外には、車の外でにこやかに左手をあげている時雨さんだ。
「どうしたんですか?お仕事は…?」
「今日は帰って良いよーって言われたからさ」
「それなら先に帰って休んでいれば良かったのに」
普段から休みや早く帰れる日なんてないのに。
僕の相手ばかりしてくれて、たまには自分の時間が欲しいはずなのに。
「俺に迎えに来てもらうのは嫌?」
そんな聴き方、ズルい。
一秒でも長く一緒にいたいに決まってる。
「時雨さんは…ズルイです」
「大人はそんなもんだよ」
僕ばかりが子供で。
というか、僕ばかり子供扱いだ。
「帰ろっか」
でも、柔らかく、優しく微笑んで、時雨さんが僕に手を差し伸べてくるから。
「…ハイ」
僕も単純だから、機嫌が治るんだ。
プシュリと音を立てて開け、自宅の近くまで行ってくれるバス停まで向かう。
「あ、蓮君!」
「…時雨、さん?」
普段は仕事が終わるのが僕の大学より遅いから、帰るのはいつもバスなのに。
ココアを片手に歩いた校門の外には、車の外でにこやかに左手をあげている時雨さんだ。
「どうしたんですか?お仕事は…?」
「今日は帰って良いよーって言われたからさ」
「それなら先に帰って休んでいれば良かったのに」
普段から休みや早く帰れる日なんてないのに。
僕の相手ばかりしてくれて、たまには自分の時間が欲しいはずなのに。
「俺に迎えに来てもらうのは嫌?」
そんな聴き方、ズルい。
一秒でも長く一緒にいたいに決まってる。
「時雨さんは…ズルイです」
「大人はそんなもんだよ」
僕ばかりが子供で。
というか、僕ばかり子供扱いだ。
「帰ろっか」
でも、柔らかく、優しく微笑んで、時雨さんが僕に手を差し伸べてくるから。
「…ハイ」
僕も単純だから、機嫌が治るんだ。