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teardrop (of the child)

第2章 −真友−

美和は松本の後ろに一歩下がって引く。

松本は普通に挨拶を交わした。

倉田達は今からゲーセンに行くところらしいが、お金が無いから松本に少し貸してくれないかと聞いてきた。

松本は自分らも、さっきまでゲーセンで遊んでたから無いと当たり障りなくやんわり断る。

本当はお金はあるが、貸せば返ってこないのは目に見えてるし松本にとって倉田達はお金を貸してやるほどの仲ではない。

誰とでも親しくはするが、松本なりに相手との距離感は選んでいるのだ。

倉田達は残念そうな様子だが、そんな事は松本にはどうでもよい。

松本は美和を連れて立ち去る事にした。

「じゃ、また明日」

そう言って歩き出す。

美和はふぅ〜っと安心しきったように息をついてから「ねぇ…ご飯、私が奢ろうか?」と松本に言う。

松本は「何で?」と答えるとすぐに、さっきの倉田達とのやり取りを思い出した。

「さっきのは嘘。あいつらに貸す金はないって意味だから気にしなくていいよ」とコソッと美和に教えた。

美和は「そっかぁ、そーゆー事ね」と納得した表情でクスッと笑う。

そして、振り返って倉田達の方をチラッと見た美和の笑顔は突然消えた。


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