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teardrop (of the child)

第2章 −真友−

起き上がろうとする佐藤に気付いた男はまたもや顔面に蹴りを入れると倒れた佐藤に跨がって反撃出来ないように、膝で腕を押さえこむ。

そして顔面集中で数発殴り続けて、男の拳は佐藤の血で染まった。

佐藤は必死で逃れようとして暴れながら何とか男を振り払うと、そのままうずくまって動かない。

男は立ち上がって、倉田をまた睨みつけるが倉田は怯えて戦意喪失してる。

倉田が情けなく詫びを入れながら、佐藤を引っ張るように起こす。

そして二人は逃げて行った。

一部始終を呆然と見てるだけだった松本。

慌てて今更ながら成宮の元へと駆け寄って大丈夫かと聞いた。

成宮に大した怪我はなく「俺よりか…藤沢が…」と呟いて男の方を見ていた。

松本も見ると、男はアチコチ怪我していて「…クソッ」と言いながら腕で口元の血を拭いていた。

まだ興奮冷め止まぬ様子で、鋭い目付きをしたまま成宮の方を見ると、そのまま立ち去ろうとした。

「あ…藤沢!ちょっと待って」

成宮が男を呼び止めると、藤沢と呼ばれた男は不機嫌そうに「あ!?」と言いながら少しだけ振り返って足を止める。

成宮がすぐにバックの中からタオルを出すと藤沢に渡した。

「あのさ…助…けてくれてありがとう」

成宮がお礼を言うと「はぁ?ちょうどムシャクシャしてただけで別に助けてなんかいねーよ」と言って、渡されたタオルで手についた血を拭いた。

「つーかさ…お前、自慢の足があんだろーが。あーゆーのに絡まれたらサッサと逃げりゃいいだろ!馬鹿じゃねーの?」

男はそう言い捨てると、血の付いたタオルを成宮に投げつけて足早に立ち去って行った。

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