テキストサイズ

棺の城

第3章 序章

僕が連れてこられた部屋の片隅には

小さなベッドがあった

そのベッドに横たわる裸の女の子

うつろな目をした

生気のない、焦点の合わない瞳

生命のない、だらりと脱力した肢体

せんせいが、彼女の手首を手にとって脈を測る

その行動を彼女たちは拒むわけでもなく、だらりと手をせんせいに預ける

半開きの口

弱々しい呼吸

「ほら、脈を聞いてみな」

ちょっとぶっきらぼうな、それでも優しいせんせいの声に反応して、僕は彼女の胸に耳をつける

ストーリーメニュー

TOPTOPへ