4月は君のぬくもり
第12章 夢に向かって!
三月一日…
季節はめぐり、とうとうこの日を迎えられた。
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卒業式の夜。
「かんぱーい!」
「かんぱーい!」
カチンッ☆
「俺を無事に卒業させてくれて、
ほんとにありがとう…ございました」
「なによー、あらたまっちゃって。でも、
教師としての私の使命は果たせたかな。ふふっ」
「うん」
晶午と私の夢…。
それはいつかこの町に、小さくてもいいから和風カフェ店をオープンさせることだった。
そのため晶午は、四月から調理師専門学校へ進み、調理全般と経営を学ぶ。
いつの間にか私達は、自然に溢れたここでの暮らしが気に入ってしまったようだ。
それと、今日はもう一つのお祝いの日でもある。
私と晶午が、もう
先生と生徒の関係ではなくなり、堂々と付き合えるようになったことだ。