4月は君のぬくもり
第2章 彼の秘密
「ただいまー」
自宅に帰った私はキッチンにいる母に声をかけた。
「お帰り由衣ちゃん!どうだった?受け持ちになった生徒さん達は」
心配性の母が聞いてきた。
「うん。明るい子が多いわ。特に問題児はいなさそうだったけど」
「まあーそれは良かったわ。ママ、由衣ちゃんには何事もなく無事に過ごして欲しいもの」
「ふふ…」
私は自分の部屋へ行った。
ベッドに腰を下ろすとそのままごろんと横になる。
津田晶午か…。
一日目から遅刻なんて、ちょっとたるんでるぞ?
夕べ彼は私を送った後、慌てた感じで戻って行った。きっと家に帰ったに違いないけど、私のせいで遠回りさせちゃったな……。