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4月は君のぬくもり

第3章 由衣の決断


生徒の家庭事情にどこまで踏み込んでいいのかわからなかったけど、私は担任としてどうしても、彼をほうってはおけなかった。


放課後。学校での仕事が片付くと、私は津田君の住所を書いたメモを手に外へ飛び出した。


グラウンドでは野球部部員が練習に汗を流している。

津田君、もうバイトへ行っちゃったかな…。


とにかく私は急いでいた。
行かなければならなかった。
彼に会わなければならなかった……。

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