4月は君のぬくもり
第3章 由衣の決断
『そうだったの。あんまりママを心配させないでよ。じゃあ、気をつけて帰って来てね』
「はい、わかりました」
電話を切った後、私はほっと胸をなで下ろした。
それにしてもお腹すいちゃった…。そう言えば戸棚の中のもの、食べてていいって言ってたっけ。
私はキッチンの戸棚の下を開けてみた。すると
「っ」
予想はしていたけど、そこにはカップ麺やインスタントラーメン、お菓子がいっぱい入っていた。
こんなのばかり食べてるんだろうか…。
それでも私はお言葉に甘えて、ど〇兵衛を選んだ。
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麺を一人すすりながら、テレビを見ていた。
バラエティー番組だったけど、全然頭に入ってこなくて。
ただ津田君の事を考えていた。
母親が出て行ってから、ずっとこうして一人で食べてたんだなって…。
バイトをいくつも掛け持ちしてるって聞いたけど、どんな仕事してるんだろう?
さっき聞いとけば良かった。