4月は君のぬくもり
第3章 由衣の決断
職員室の一角にある、ついたてで仕切られた応接コーナー。テーブルを挟んで私達は座った。
「…」
いざとなると、なかなか言葉が出てこない。
「話って何だよ。早くしてもらえないかな」
しびれを切らした津田君に、私は意を決して言う。
「え、ええ。じゃあ、ずばり聞くわね」
「…うん」
「きのうの夜、あなたがホテルで女の人といるのを見かけた人がいるんだけど。
別に津田君のプライベートに立ち入るつもりはないわ。
ただちょっと気になって…。
だって夜はコンビニでアルバイトのはずでしょ?」
彼は腕組みをし私の話をじっと聞いていたが、ふっと軽く息を吐くと言った。
「浅川だろ、先生にチクったの。そういえば昨日の夜ホテルにいたな…。
そうだよ。俺はコンビニでバイトなんてしてない」
「やっぱり。じゃあ何?それに一緒にいた女の人は…誰なの?」
「そんなに知りたきゃ教えてやるさ。あの人は俺のお客さんだよ」
「お客さんって…」
「つまり、俺はホストとしてお客さんとデートしてたってわけ」
「えっ!」