4月は君のぬくもり
第4章 晶午の想い
晶午side
俺は今夜、二十代後半のOLナミさんと、映画を観た後ホテルに来ていた。
上半身を裸でうつ伏せになったナミさんの背中に、アロマオイルを垂らし、手のひらでゆっくりと優しくマッサージしてゆく。
「気持ちいい…癒やされるわ。仕事のストレスなんて飛んでっちゃいそう」
「ふふ、そうですか。ありがとうございます。じゃあ、もっと気持ちよくさせてあげますからね?」
「まぁ…」
その時だった。
「っ…」
急に先生の顔が浮かんできたのは。
それは消し去りたくても無理だった。
あの泣き顔を思い出しただけで…なぜか胸が痛む。
一緒に住んであげるって、ありえる訳ない。
そんな、夢物語みたいな話は……。