テキストサイズ

4月は君のぬくもり

第4章 晶午の想い


時間は午前零時を回っていた。

うっ、さむー。今晩はやけに冷えるな…。
そう、階段を軽やかにかけ上がった俺は、
愕然となる。


信じられない光景があった。

「…おいっ何してんだよ!!?」


先生が玄関の前で、頭を垂れて座り込んでいたのだ。

まさかほんとに来るなんて…!

先生の身体に触れるとすごく冷たい。

「しっかりしろよ先生…っ!」


俺は急いで鍵を開けると、先生を抱き上げ部屋へ運んだ。


ベッドに寝かせ毛布を掛けた。
先生はぐったりして目を開けない。
バクバクと俺の心臓が鳴る。
どうしたらいいんだよ。

ばかだ…ばかだ俺はっ!先生をこんな目に遭わせるなんて…。

「…っ」

何も考えている余裕などなかった。気がつけば俺もベッドに入り、彼女の身体を夢中で引き寄せていた。

「先生…先生…っ!
死ぬんじゃないぞっ!!」

そして背中をさすり、髪を撫で、自分の胸に強く抱き締め温めようと必死だったんだ……。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ