4月は君のぬくもり
第5章 内緒の同居生活
「起立!」
日直の生徒の元気な声が響く、朝のホームルーム。
私は妙に気まずかった。何となく生徒達の目が…。
「礼」
「おはようございます」
「「おはようございまーす」」
朝の挨拶がすんだところで…。
「先生、きのうとおんなじ服じゃん!」
わわ、やっぱり。
「あっれ〜、由衣ちゃん朝帰りしちゃった?誰のところにお泊まりしたのかなー」
「えっ彼氏いたんだ、僕ショック!」
「ち、違います!
きのうは女友達みんなで飲みに行った後、終電を逃して仕方なくサウナに泊まりました…っ」
「ほんとにぃ?怪しい〜」
こんな言い訳、通用するはずないわよね。
これからは気をつけなきゃ。
「っ」
津田君と目が合った。彼はくくっと笑い、窓の外に視線を逸らした。
あれは夢だったのかしら。
誰かが冷えた私の身体を抱きしめ、暖めていてくれたの。
目が覚めた時、隣にいた彼。
もしかして…まさかね……。