4月は君のぬくもり
第5章 内緒の同居生活
「ご飯できたわよ〜!遅くなってごめんね」
ふすまの向こうに声をかけると、晶午が出てきた。
「…」
私をチラッと見て無言でテーブルに着くが、
「すごい、これ全部作ったの?」
って、びっくりした表情でほめてくれた。
「そうよ。エヘン見直した?」
「…うん」
「じゃあ、いただきます」
「いただきまーす」
私が手を合わせると、彼も習って手を合わせた。
晶午は今日も家にいてくれた。
良かった、と安堵する。
始まったばかりの暮らしに、私も晶午もまだどこかぎこちなかった。
「そうだ」
不意に思い出した私は言った。
「なんだよ?」
「今度の祭日、ショッピングに付き合ってくれない?」
「何買うの?」
「あのね、この部屋をもう少し明るく模様替えしたいと思って」
「別にいいけど」
「ありがとう」
初めてこの部屋に来た時、なんだか殺風景で寒々しいな…って感じていたんだ。