4月は君のぬくもり
第6章 恋のライバル
夕食が終わった後の、洗いものをしていたとき。
晶午がやって来て言った。
「ごめん、これも洗って…」
「なに?」
それは空になったお弁当箱だった。どうやら晶午を想う子にもらったらしい。
「まあっ、良かったじゃない。愛がこもったお弁当はさぞおいしかったでしょうね?」
「…」
「それで、あなたはその女子と付き合うわけ?」
「実は、どうしようか迷ってる。
今まで彼女の事は気にもしていなかったんだけど、急に意識し始めたっていうか」
えっ…?
ドクン、
「それでいいのよ、それで。がんばって晶午!」
誰だろう?
お弁当を作ってくるなんて、
よっぽど晶午のことが好きなんだ……。