4月は君のぬくもり
第7章 ♪Jet'aime★Jet'aime
えみside
落ちこんで席に着いた私に、友達のさっちゃんが寄ってきた。
「おはよう!…えみどうした?顔色悪いし、元気ないみたい。どこか具合でも悪いんじゃないの?」
私は、今にも泣きそうになるのをこらえていた。
「ううん、何でもないから。ほんとになんでも…」
「えっ…」
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私は一年生の時から、ずっと津田君に憧れていた。
だから三年生で同じクラスになれて、すごく嬉しかったの。
少しでも彼の目にかわいく映ろうと、髪型の研究をしたり、笑顔の練習もいっぱいしてきたわ。
ふと、いつもお昼はパンばかりの津田君を見て、もしかしてまだ彼女がいないんじゃないかって、私は勝手に解釈した…。
それでチャンス!とばかりに、お弁当を作って渡すことにしたんだ。
けど、やっぱり物事はそんなにうまくいくはずがなくて。
好きな人がいるって、はっきり言われちゃった。
もっとショックなのは、それが由衣先生であること。
あぁ。こんなことなら、ただ遠くから見ているだけにすれば良かったな。
津田君は
とても私には、手の届かない人だった……。