おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第2章 AD部。
下出の説明を受けてアタシは、「最近は趣味も多様化してラジコンやらプラモデルやらを楽しむ大人の方々も居らっしゃるから」と納得したのだが、それを高槻さんは鼻で笑って下さりました。
「ふん。"大人のオモチャ"と聞いてそちらを思い浮かべるか……。なるほど、見た目に沿った脳内のようだな」
そう言って、高槻さんは切れ長の目でアタシをチラリと見る。それだけで、背筋を痛みとも悪寒とも何とも言えないものが走り抜け、身体が強張る。
高槻さんの視線から逃げる様に顔を俯かせると、そんなアタシの顎を高槻さんは捉えて持ち上げた。
「だが、素材は悪くない」と言って、彼は私の眼鏡を奪う。すると「マジか」と言う下出の声が聞こえた。
何の事だか分からないアタシは、奪われた眼鏡を取り返そうと、手を伸ばしたが、背の高い高槻さんが腕を精一杯伸ばしているので届かない。
不細工なアタシが、無様にピョンピョンと跳ね、必死に奪い返そうとしているのを客観的に見たら、滑稽なんだろうなと、悲しくなった。
何でこんな目に合わなきゃならないんだろう。アタシが不細工だから? でも、好きでこんな容姿に生まれたんじゃないのに。