おもちゃのCHU-CHU-CHU★
第2章 AD部。
冷たい光の切れ長の目に、心の中を見透かされそうで怖い。アタシの高槻さんに対する第一印象は、そんな感じだった。それに背が高くて、威圧感が半端ない。
そんな少し竦(すく)み上がっているアタシを尻目に、高槻さんは部署の大まかな説明はしたのかと、平川さんに尋ねると、未だだと言うように首を横に振る平川さん。
それなら実際の商品を見た方が早いだろうと、高槻さんはアタシと下出を連れてオフィスの奥にある扉へと導いた。
高槻さんが扉を開けてくれ、中に入ると、そこには壁一面に棚が設えてあり、カラフルな大小様々な箱が並んでいた。
「我社の"オモチャ"はCD部門とAD部門に分かれているのだが、それは知っているか?」
高槻さんにそう尋ねられて、アタシは首を横に振り、下出は縦に振る。下出は高槻さんに「知っているなら彼女に説明してやれ」と言われ、少し不服そうな顔をしながらも説明してくれる。
「CDとは「child」の "C"と"D"を取ったもの。んで、ADとは「adult」の"A"と"D"を取って名付けられたもので、「子供向けオモチャ」部門と「大人向けオモチャ」部門の事だよ」