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おもちゃのCHU-CHU-CHU★

第12章 川上達哉という男(その1)。


 再び意地悪な笑みを浮かべて、川上さんが顔を覗きこんでくる。可愛いなんて思っていたけれど、大間違いだった。川上さんって、かなり悪魔だ。


「ねぇ、どっちなのかなぁ?」


正直に言えば、やっぱり人の手で揉まれる方が気持ちがいい。機械では舐めたり、吸ったりしてくれないから。でも、そんな事は、恥ずかしくて言えない。


「これは、初期モデルだから、デザインもシンプルだし、機能もシンプルだけどね、今のモデルは進化してるんだよねぇ」


 川上さんの思い入れのある商品なのだろう。とても嬉しそうに説明してくれる。最新のモデルは、色々な会社とコラボレーションして、可愛いキャラクターの手を模した物や、カラフルなデザインの物もあるのだそうだ。


 「縫いぐるみに胸を揉まれている感覚ってどうなのよ?」とアタシは思ったのだが、結構、ウケているらしい。しかし、薄型でブラジャーとしても使える初期モデルも根強い人気があるらしい。


 エッチな事を目的とする人は、最新モデルを求め、豊胸マッサージを主に目的とする人は、初期モデルを買い求めるのだと言う。最新モデルは、キャラクターの手を模した事もあり、厚手の為、普段身に付けられないのだ。完全に、お遊び向きなのである。

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